【文学コラム】13.ロートレアモンとシュルレアリスムとの偶然の邂逅
”Salvador Dalí - Sewing machine with umbrellas”
シュルレアリスムを語るときに、必ず引き合いに出されるロートレアモン伯爵の一節「解剖台の上での、ミシンと雨傘との偶発的な出会い(のように美しい)」
『マルドロールの歌』(ロートレアモン著1868/栗田勇訳1974)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%AD%8C-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%A2%E3%83%B3/dp/4329001527/ref=pd_lpo_sbs_14_img_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=AY52YM1ZX3D1MGSN4QP7
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%AD%8C-%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%A2%E3%83%B3/dp/4329001527/ref=pd_lpo_sbs_14_img_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=AY52YM1ZX3D1MGSN4QP7
《まず二週間、爪を伸ばしっぱなしにする必要がある。おお、なんという素晴らしさ、上唇のうえにまだ産毛も生えていない、目をぱっちりとみひらいた子供を、ベッドから荒々しくもぎはなし、その美しい髪をうしろになでつけながら、額を心地よく撫でるふりをする! それからとつじょ、不意をついて、長い爪をぐっさりと、だが殺してしまわない程度に柔らかい胸に突きさすのだ。》
人の無意識世界に漂うこの残酷は、野生でもなんでもない、まさしく「人間」なのであって、それが、アンドレ・ブルトンやフィリップ・スーポーなどのシュルレアリストによって「再発見」された。ロートレアモン伯爵と名乗った若者は、伯爵でも何でもなく、パリの貧相な下宿部屋で、20代で孤独な一生を終えた独りの若者でしかなかった。
「解剖台の上での・・・」の一節は、「デペイズマン」の例として引き合いに出されるのだろう。これは、意外な組み合わせをおこなうことによって、受け手を驚かせ、途方にくれさせるというシュルレアリスムの一手法として組み込まれた。
『シュルレアリスム(Surrealism 超現実主義)』山田視覚芸術研究室 https://www.ggccaatt.net/2012/02/28/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%A0/
0 件のコメント:
コメントを投稿