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Ⅲ【社会時事コラム】06.情報革命 ふたりの軌跡

【社会時事コラム】06.情報革命 ふたりの軌跡

  ~インターネットは何を変えたか~(NHKスペシャル)

 Yahoo! Japanを、日本独自の情報のプラットフォームに仕上げた初代社長の井上雅博の功績は大だが、これは一方で、未だネット検索にヤフーを使ってるのは日本人だけというように、グローバル化世界に対しては、日本のガラパゴス化を象徴するものでもある。しかし日本の利用者にとっては、トップページの一覧性は手放しがたい魅力がある。(現在のYahooの検索システムは、実際にはGoogleが提供している)

 Yahoo Japanのトップページの使い易さは、何よりそのYahoo Newsの欄にある。いまではGoogleやLineなどにもニュースページがあるが、これらは基本的に、提携したニュースサイトから提供された記事を、AIによって並べるする仕組みだが、井上はあくまで、人間が重要度を見極めて手動で配列することに拘った。これは新聞紙面などと同じで、一覧してニュースの重要度が分かるようになっており、読者にとってありがたい。

 井上雅博はYahoo JPを退任したあと、2017年4月、アメリカ合衆国で、クラシック・スポーツカーの耐久レース大会に参加している最中に自損事故を起こし、60歳で死去したことが惜しまれる。


 一方で、グローバルなネット世界で無限の可能性を秘めた、最先端のP2P技術を世に問ったWiinyの開発者金子勇は、著作権法違反容疑で逮捕され7年間を空費した。その間、技術開発を停止されたまま、最高裁で無罪を勝ち取ったが、金子はその2年後に42歳の若さで急逝する。

 日本で先行したP2P技術は頓挫させられたが、海外ではジョブズが手掛ける前の音楽配信サービスや、IP電話通信のSkypeやLineのコア技術として実用化された。そして今や注目のビットコインなど仮想通貨のブロックチェーン技術として利用されている。

 金子が、被告として空費させられた2004~2011年というのは、まさしくネット技術が乗数的に発達した期間だった。

 金子は著作権法というオワコン法規によって、その才能を摘まれたが、実のところ金子をつぶしたのは「ウィニーは違法エロビデオを配信するソフトだ」という、その技術を使いこなせないスケベオヤジ政治家どもの勘違いで、鬱憤のはけ口にされたにすぎない。

 よく言われた例が「包丁で人を刺す事件が起きたら、包丁の開発者が罪に問われるのか?」ということで、包丁の代わりに自動車でも同じことだ(笑)

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