【歴史コラム】04.【エジソンVSテスラ】
*NHK-BS ドキュメンタリー「電流戦争! エジソンVSテスラ」が放送された。
http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=170502
発明王として名高いトーマス・エジソンと、磁束密度単位にその名を残すニコラ・テスラの、直流or交流での電力事業をめぐる争いのドラマ。共に発明家として名をなしているが、その人と成りはかなり特異な性格として記録されている。
発明王エジソンは、生涯1,300もの発明と技術革新を為しとけ、その特許料収入に基づいて、事業家としての側面も持つ。事業家としては、強欲とも思える独占欲を発揮し、また自身の考えに固執する独裁的な経営者としての顔を見せた。
一方、テスラはオーストリア出身のセルビア人で、電気技師としてアメリカに渡り、エジソンの経営するエジソン電灯に採用された。ここで、電機事業展開を直流にするか交流にするかで、エジソンと対立して退社する。
テスラは、大学在学中にすでに、交流発電機と交流モーターの原理を考案していた。当時は、発電した電流をいちいち整流器で直流に変換して利用するという、きわめて変換ロスの大きい方式であり、エジソンは自らの推進する直流方式に拘り続けた。
J・Pモルガンの支援を受けた "Edison General Electric"社(のちのGE)のエジソンと、J・ウェスティングハウスの支援下 "Westinghouse Electric"社(WE)でのテスラは、熾烈な直流/交流戦争を繰り広げる。
J・Pモルガンの支援を受けた "Edison General Electric"社(のちのGE)のエジソンと、J・ウェスティングハウスの支援下 "Westinghouse Electric"社(WE)でのテスラは、熾烈な直流/交流戦争を繰り広げる。
エジソンは、テスラに対して、幾つかの汚い手を使ったともされる。エジソンの会社に籍を置いたテスラに対して、エジソン流に直流用に設計された工場システムを、交流電源で動かすことができたなら、褒賞5万ドルを払うと提案したが、テスラがこれを成功させると、エジソンは褒賞の件を「冗談」で済ませた。それがテスラの退社理由となった。
両者が発明家・電気技術者としてのプライドをかけた「電流戦争」は、結果的には、テスラの推進した交流の優位性が示され、現在の送配電システムでは、世界的に交流が主流となっている。
電流戦争に勝利したテスラも、数々の強迫観念に囚われ、異常な潔癖症で知られるなど、精神的にはアブナイ人だったようだ。晩年には、自身が開発した無線通信装置で霊界との交信を試みるなど、オカルティックな世界にはまりつつあったという。
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