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Ⅴ【音楽関連コラム】01.ニノ・ロータの映画音楽

【音楽関連コラム】01.ニノ・ロータの映画音楽


 ニノ・ロータは、フェデリコ・フェリーニ監督と組んで多くの名作をものにした。

『道』
 粗野な大道芸人 ザンパノと、いささかオツムが足りなげで純真なジェルソミーナの純愛悲喜劇。「おもしろうてやがて悲しき」道行きものがたり。


『甘い生活』
 この男が出てくるだけで「甘い生活」という意味がわかってしまうようなマルチェロ・マストロヤンニ。ニノ・ロータの音楽も、いかにも甘く誘惑する。大型グラマー女優と騒がれデビューしたアニタ・エクバーグが、ドレスのままトレビの泉で水浴びするシーンは有名、先日訃報が報じられたので、オマージュとして。


 ニノ・ロータは、フェリーニ以外の監督のものでも多くの名作を残している。

『ロミオとジュリエット(1968)』
 言うまでもなくシェークスピアの名作の映画化。古典劇を得意とするフランコ・ゼフィレッリ監督の下、16歳のオリヴィア・ハッセーが初々しい。ロミオ役にはポール・マッカートニーが依頼を受けたが断ったとか。たしかにポールの坊ちゃん顔はピッタリだったかも。
https://www.youtube.com/watch?v=zCQMlyXMRJE


『ゴッドファーザー<愛のテーマ>(1972)』
 ドン・コルレオーネ一家の叙事詩的作品が、過不足なく音楽化された名曲に違いない。二代目を継いだアル・パチーノの三男マイケルが、国会の公聴会で尋問されるシーンなどは、JFケネディ大統領の一家などを思い起こさせるし、もろにフランク・シナトラをモデルにした人気歌手がドンに泣きを入れるシーンなども面白い。こういう逸話を知った上で、シナトラの歌い上げる「マイウェイ」を聞くのも楽しい。”I did it my way!”


『太陽がいっぱい(1960)』
 ずっとこの曲を、古典曲「ドナウ川のさざなみ」と混同していた。社会派監督として売り出し中のルネ・クレマンの名作だが、ニノ・ロータは「フランスのあまり知らない監督から、音楽を作ってくれて言ってきたので、適当に書いて送っておいた」とつれない感想を述べている。クラシック音楽の作曲家としても著名なニノ・ロータにすれば、「てきとうに作曲した」というこの映画音楽も、「ドナウ川・・・」のイメージをベースにちゃらちゃらと書き上げたのかも知れぬ。

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