【食と文化コラム】15.「手羽先ポン酢てりサワーキャビジ添え」
かつての海軍では、ビタミンC不足による壊血病で悩んでいた。長期航海では新鮮な野菜や果物が取りづらいからだったのだが、それを救ったのがザワークラウト(酢漬けキャベツ)で、英国でそれが分ったのは、キャプテン・クックの時代だったという。
各国の海軍では、キャベツの酢漬けの有効さに気付いて採用したが、その後、英海軍は、より効果的なライム果汁に切り替えた。一方ドイツ海軍では、ひたすらザワークラウトばっかり食わせていた。そこで互いに相手のことを、「ライム野郎 (limey) 」「キャベツ野郎(kraut)」と呼びあったということだ。
欧米では麦食(パンなど)が主なので、脚気はあまり問題にならなかった。日本でも海軍では、経験的に麦食が有効だと気付いたが、白米に慣れている兵士には不評だったという。陸軍では、軍医トップの陸軍軍医総監として、陸軍兵食の責任者でもあった森林太郎(森鴎外)が、米食にこだわったため脚気が蔓延したと言われている。
日本で脚気が増えたのは江戸時代後半、白米食が中心になってからで、白米が早く普及した江戸で多く発生したので、「江戸わずらい」などと呼ばれた。米ぬかや麦にはビタミンB1が含まれているので、玄米食や麦食なら脚気にならない。
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